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熊井 敏夫; 掛札 和弘; 高柳 政二
ASRR-V: Proc., 5th Asian Symp. on Research Reactors, 2, p.619 - 626, 1996/00
JRR-3Mの冷中性子施設は、冷中性子源装置及び中性子導管から成っており、JRR-3改造の主目的の一つとして高中性子束研究炉に我が国で初めて1990年に設置され、以来約5年間順調に稼動してきている。冷中性子源装置は、液体水素を減速材として、これをサーモンサイフォン回路で循環する型で、中性子導管は、ニッケルを蒸着したガラス管を並べたものである。これらの主要な特性として、冷中性子源利得は、波長4以上の中性子に対して10以上であり、中性子導管出口の冷中性子束は、約210n/cm・s/20MWである。この冷中性子は、研究所内外の中性子ビーム実験に広く利用されている。本発表では、上記施設の設計、建設、特性及び運転・保守経験について概括的に述べる。
市瀬 健一; 仲田 祐仁; 海野 明; 金澤 浩之; 助川 友英
ASRR-V: Proc., 5th Asian Symp. on Research Reactors, 2, p.871 - 875, 1996/00
原研NSRRでは、未照射及び照射済燃料をパルス出力照射することによって、反応度事故時の燃料挙動を調べている。その一環として、負荷追従運転を経験した燃料の反応度事故時の挙動も調べている。実験に使用する照射済燃料は、燃料試験施設において、商用炉で使用された実用燃料(長さ約4m)より、NSRR及びJMTR・BOCA照射設備に装荷可能な形状(長さ約30cm)に短尺加工される。短尺加工は、切断、上下端栓の溶接、ガス封入及び圧力計の計装等である。これら短尺加工時に重要なのは、加工前の燃料状態の保持、溶接部の健全性等である。本報告は、再照射用燃料短尺加工、計装及び検査技術について述べる。
土田 昇; 大岡 紀一; 近藤 育朗; 新保 利定
ASRR-V: Proc., 5th Asian Symp. on Research Reactors, 1, p.123 - 130, 1996/00
JMTRは、熱出力50MWで国内最高の中性子束の材料試験炉であり、動力炉の開発、RI生産、基礎研究のための照射試験を目的として設計、建設された。1968年の初臨界以来28年間、軽水炉、高温ガス炉、新型転換炉、高速炉の開発等に貢献してきた。現在、JMTRは照射設備として、キャプセル照射設備、水力ラビット照射設備、シュラウド照射設備を備え、幅広い照射ニーズに対応している。今後の利用動向としては、軽水炉の高経年劣化対応の照射試験、核融合炉ブランケット材の照射試験が望まれている。それに対応して、JMTRでは、再照射技術、きめ細い照射環境の制御、その場計測技術等の照射技術の高度化を進めている。
曽山 和彦; 鈴木 正年
ASRR-V: Proc., 5th Asian Symp. on Research Reactors, 2, p.894 - 900, 1996/00
原研JRR-3Mにおいて中性子ビーム実験の高度化を目的として行っている中性子光学デバイスの開発と応用について報告する。本報告では、中性子導管端末で中性子束を約1桁増加させるためのNiC/Tiスーパーミラーの作成技術開発及びこれを応用したスーパーミラー導管の中性子収率解析について述べる。また、中性子ビームを短距離で分岐するためのスーパーミラー中性子ベンダーの製作及び特性測定の結果について述べる。さらに、近年薄膜等の表面界面研究の有効手段として注目されてきた中性子反射率法についてNiC/Ti多層膜を主として述べる。